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ロードバイクのフレームに使われる素材の特徴・メリット・デメリットと選び方を紹介。

はじめに

ロードバイクの走行性能を決める要素には、ホイールやコンポーネントなどさまざまなものがありますが、なかでもフレームは特に重要なものです。

ロードバイクの性能はフレームの性能といってもよく、ロードバイクの価格や重量に大きく影響を与えます。

フレームの材質によって剛性感や乗り心地が変わってくるので自分の目的に合ったフレーム選びが重要。フレームの素材は大きく分けて「アルミ」「クロモリ(鉄)」「カーボン」「チタン」の4種類となります。どれも一長一短があるためどれがベストだと言い切ることができません。

それぞれの特徴の違いを理解して、ロードバイクフレーム選びの参考にしてください。

 

アルミニウム

1880年代に誕生したアルミは、軽いことや安価に製造できることなどが評価され様々なジャンルで用いられてきました。自転車業界では1895年くらいからフレームやパーツに使用されるようになります。その後、長い時間をかけて最適なフレーム構造の製法、アルミ自体の素材としての改良が図られてきていて、現在ではエントリーモデルを中心に多く用いられるようになっています。

アルミはいくつかの素材との組み合わせによって質が変わる合金です。マグネシウムや亜鉛、ケイ素などと組み合わせることによって作られます。フレームに使われているのは6000系(超ジュラルミン)と7000系(超々ジュラルミン)が多く熱処理によって飛躍的に性能が向上。スチールでは不可能な複雑な形状も、液圧加工で成形できます。

アルミは溶接がしやすいという利点がありますので、それぞれの部位にチューブを作り、それから溶接をすることによってフレーム全体の構造を作っていきます。コストが安いために1990年代にはロードバイクのフレームとしてメインの素材となっています。

アルミのメリットはやはり軽量であるということでしょう。カーボンほどではないものの、剛性感のある軽快な走りを楽しめるのが魅力です。一方で、金属疲労が起きやすいという特徴も持っていて、耐久性が若干劣るというデメリットがあります。さらに、衝撃吸収力が弱いため悪路での走行で不便を感じることがあります。最近はしなやかさを持つ新しいアルミ合金が出ていて、こうした問題にも対処できるようになっています。

 

スチール(クロモリ、ステンレス)

スチールは伝統的な素材として様々な用途に使われてきましたが、自転車部品としての歴史も長く一世紀以上の歴史を持っています。自転車素材として最も基本的な素材と言えるでしょう。スチールをベースとして新たな素材の開発も進められていて、より軽量で堅牢、加工のしやすい素材の開発がなされています。

スチールは元々成形が簡単な素材ですが、重量があるという難点を抱えています。そこで中心部をくりぬくことによって軽量化を図るという試みがなされています。この成形法により、堅牢でしっかりとした構造を作ることができると同時に軽さというメリットも持たせることができるようになっています。

そして、この素材をベースとして合金を作ることによってさらに質の高い素材を作ることも可能です。たとえば剛性が強く腐食にもある程度強いクロームモリブデン合金(通称クロモリ)がその一例です。重さはあるものの堅牢性が強いため、細身のロードバイクにもぴったりの素材です。ロードレースの主流の素材はカーボンに変わり、趣味性の強い素材となっていましたが。

それと、腐食しやすいという弱点を解消するために作られた素材がステンレスです。錆に強いため、過酷な環境でも耐えられますし寿命も長くなります。ステンレスフレームはあまり生産されていません。溶接はロウ付け溶接で行われるラグド工法とラグレス工法があります。またTIGを使ったラグレスもあります。

スチールのメリットとしては、ペダルを踏み込んだときの独特の粘り感と強い耐久性があるということです。それでいて衝撃吸収力がありますので、乗っていて快適な感覚を与えてくれます。また、溶接や修正がしやすい素材であるため、凹みや破断が生じても専用工具などで修理できるというのもメリットと言えます。一方で、クロモリなどの素材はやはり重量があるというのがデメリットとなります。さらに、湿気の影響を受けやすいため塗装が剥げてしまうとすぐに錆が進行してしまいます。雨の日走行後にはきちんとしたメンテナンスをしないといけないというのもデメリットと言えるでしょう。

ちなみに低価格帯のロードバイク(鉄フレーム)では、クロモリではなくハイテンスチールが使われていることがあります。これはシティサイクルの素材と同じです。重いです。

カーボン

カーボン(CFRP:カーボンファイバー・リンフォースド・プラスチック)は軽量かつ、いろいろな形状に加工できるということで、ロードバイクのフレームに好んで用いられてきました。しかし、初期は新素材だったということもあり、とても高価な素材でプロクラスの人たちが用いる素材という認識でした。しかし、今ではかなり素材価格が下がってきていて、それほど高価というイメージがなくなってきています。ロードバイクのフレーム素材としては、チタンの次に高価な素材となっています。

カーボンは炭素繊維ですので、炭素素材を圧縮加工するなどの工程を経て作られます。一体構造でフレームを製作するモノコック製法とカーボンパイプを樹脂で接着する製法の2種類があります。いろいろな形に自由に成形することができて、強度が強いためロードバイクのフレームとしても向いています。設計の幅を広くすることができるし、フレームが太くなるので車体のロゴが目立ちやすくメーカーブランドにとって良いマーケティング(宣伝)にもなるのです。

ロードバイクのフレームとして作る場合には、最初から全体の構造にプレスして作るのが一般的です。スチールやアルミのような金属素材の場合は、それぞれの部位に成形してから溶接して全体の形にするという工程を採りますが、カーボンの場合は全体を一気に作り上げるイメージとなります。

カーボンのメリットはやはり軽量であるということでしょう。また、しなやかな素材であるため、衝撃吸収力が強く快適な走りを実現してくれるというのも乗り手にとっては非常に魅力的な点です。また、錆などの腐食に強いというメリットもあって、雨風からのダメージに強いため、金属素材にはない耐久性を持っています。

カーボン自体の劣化はしないそうなんですが、カーボンを接着させている樹脂が直射日光で劣化するので屋外での保管には注意が必要です。また、破断(クラック)してしまうと修復が難しく高価になってしまうというデメリットも抱えています。落車してしまうとかなり面倒なことになるでしょう。(傷の程度が分かりにくい)

さらに、クロモリなどの素材に比べると高価になる傾向が見られます。もちろん、昔と比べると随分価格は下がっていますが、それでも一つ上のクラスの価格となってしまいます。

感覚的にカーボンはクロモリと比べて、モデルが古くなってくるとなぜだか新鮮味がなくなってくる、そんな気がします。

チタン

チタンは20世紀半ばになってようやく実用金属の仲間入りをした歴史の浅い高級素材です。ゴルフクラブのヘッドにもよく使われている素材で、大量にチタンが採用されている例としては「戦闘機などの航空系」「プラント(工場装置)」などがあります。自転車部品としては「フレーム」「リム」「スポーク」「ペダル」に使用。

「軽くて、強くて、さびない」のが大きな特徴でフレーム素材として使うと弾性率が高く、この独特なバネ感を好むファンは多い。ただ、カーボンフレームより重量面で少し劣るためプロレースでは採用されていません。

アルミとバナジウムを混ぜた合金で3/2.5と6/4があります。3/2.5というのはアルミ3%とバナジウム2.5%を含むという意味です。素材の性質上、大量生産ができないため1台ごと手作りのオーダーメイドになりますので、世界に1台のチタンロードバイクを注文することができます。趣味性の高い素材でしょう。

溶接方法としては「不活性ガスシールド治具」を用いてのTIG(タングステン・イナート・ガス)溶接で行われます。チタン同士の溶接ならば特別難しいものではないですが、異種金属との溶接となると困難になります。そして美しく正確な溶接には高い技能と設備が求められるため、素材を含め非常に高額になってしまいます。また、加工が難しいので傷の修復が困難になってしまうことと、フレームカラーが限定的になってしまうのが欠点といえます。チタンは通常の利用では耐食性が強いですが、還元性の酸や高温アルカリ溶液では腐食します。

陽極酸化(チタンを陽極にして薄い硫酸溶液などで電気分解すると、陽極のチタン表面は酸素と反応してチタンの酸化物を作る現象)して形成される酸化被膜の厚さによって変わる色調を利用したデザインは好評です。

 

その他の素材

他には木なども。ウッドフレーム。材料はマカボニーがよく使われます。また竹を使ったバンブーバイクもあるようです。

<マグネシウム>
少数のロードバイクメーカーが採用しているのがマグネシウムフレーム。航空機や自動車部品、パソコンなどにも使用されています。カーボンと同程度の強さを持ち、アルミニウムより軽量でありながら剛性感や振動吸収性に優れるといわれていますが、一部のメーカーしか取り扱っていないため可能性は未知数の素材といえるでしょう。

<スカンジウム>
チタンと同じように工場での設備や航空系の素材として使用されることが多い。フレームとしての可能性はデータ不足で未知数。

 

ハイブリッドフレーム

フレームセットの中には、フレーム全体が同じ素材ではなく、部分的に別の素材を使用しているものがあります。例えば「クロモリフレームだけどシートステイだけカーボン」という具合です。このようなフレームをハイブリッドフレームといいます。

 

まとめ

以上、フレーム素材の特徴の違いを述べましたが、各素材の性質はあくまで一般論で、製法によってはまったく正反対の性格のフレームも作ることができますので「どのような用途目的で設計されたフレームなのか」が大事です。製品としての傾向と素材の特性は違うのです。メーカーブランドのカタログなどに、「このモデルは~に最適」「~向けのフレーム」といった感じで記載されていますので参考にしておきましょう。

最終的な購入の決め手はやはり、自分の好みでいいと思います。素材も大事だけれど、初心者が最初に選ぶ場合はロードバイクのサイズ、デザインを熟考すべきです。

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