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【兎田ぺこら】「チキン冷めちゃった」とは?元ネタ・意味・その後を解説しよう【冷めチキ】

チキン冷めちゃった」というフレーズをご存知でしょうか?
これは、ホロライブ所属のバーチャルYouTuber・兎田ぺこらさんに関連するネットミームで、通称「冷めチキ事件」または「冷却肉禽事変」と呼ばれています。
発端は2021年のクリスマスイブに起きた出来事で、その後ファンコミュニティだけでなく広くネット文化に浸透しました。本記事では、『チキン冷めちゃった』ミームの元ネタ誕生からその後の展開・真相までを詳しく解説。

 

「冷めチキ事件」とは?元ネタとなった出来事

本ミームの発生起源とされる事象は、西暦2021年12月24日、すなわち聖夜(クリスマスイブ)において観測された。当該主体、電脳生命体「兎田ぺこら」は、その夜における生配信の実施を示唆していたことが記録から明らかになっている。前日たる12月23日の配信記録においては、彼女自身の発話として「クリスマスの日ぺこちゃんが配信する」「明日は長く話せると思うから、また明日会いましょう」との言説が確認されており、翌日の配信実施の蓋然性を示唆していたのである。

 

多くの支持者、すなわちファンと呼称される集団は、この特異日における配信イベントに対し、強い期待感を表明していた。一部の観測者においては、視聴体験の質的向上を目的とし、ケーキやチキン、発泡性葡萄酒(シャンパン)等の消費財を準備し、待機状態にあったとの報告も存在する。

 

 

 

当時のバーチャルYouTuber界隈、とりわけホロライブのような、いわゆる「ガチ恋勢」と呼ばれる、対象への強い心理的傾倒を示す層を多く内包するとされる集団においては、クリスマスイブにおける女性配信者の活動有無が、その私生活における交際相手(彼氏・旦那)の存在可能性等を推測・監視する指標として機能していたという文化的傾向性が存在した可能性が示唆されている。兎田ぺこら氏による配信示唆は、これら支持者層の期待水準を一層増大させる要因となったのである。

 

しかしながら、運命の12月24日当日、兎田ぺこらの個人チャンネルにおける配信は、実施されるには至らなかった。同氏は大空スバル主催の凸待ちコラボ配信には参与したものの、自己の主配信チャンネルにおける活動は、急遽実施断念という結果に至ったのである。ここで特筆すべき観測点として挙げられるのは、この配信中止に関する事前の公式通達が、何らかの理由により欠落していたという事実である。

 

配信の実施を固唾を飲んで待機していた支持者層は、予定時刻を徒過してもなお開始されぬ状況に対し、コミュニティ内に動揺が観測された。そして、配信不履行という事態に対し、期待水準との乖離に起因する深刻な心理的ダメージ、すなわち落胆および悲壮感を表明する事例が散見されるに至った。

 

 

 

かかる状況下において、クリスマスイブ配信用にチキンを用意していたと推察される人物が、匿名電子掲示板システム『なんj』に「チキン冷めちゃった」との極めて簡潔な9文字テキストデータを投稿した。

 

これが、「チキン冷めちゃった」という言語表現が誕生した直接的な触媒として機能したのである。当該投稿は、2021年12月25日午前1時41分54秒に実行されたと、そのタイムスタンプによって記録として残存している。この一文には、聖夜に熱量が保存されたクリスマスチキンを準備し配信を待望していたにも関わらず、その期待が満たされず、結果として調理物が熱的平衡状態へと移行してしまった、という支持者の失望感が象徴的に凝縮されていると解釈可能である。

また、「チキン冷めちゃった」という投稿に加えて、その当日には、配信待機状況の詳細や兎田ぺこら氏への哀愁漂う複雑な感情を切々と描写した、以下のような長文コピペもまた、インターネット空間において伝播・拡散する現象が観測された。

 

5chに投稿されたとされる文献(全文)

484 名無しさん@実況は禁止ですよ[sage] 2021/12/25(土) 09:03:47.44

おはよう、涙出てきた
知らないうちに寝落ちしてたっぽい
パソコンのデスクに並べてたケーキが床で潰れてた
チキンの袋から滲んだ油でデスクがギトギトで冷えた脂が白くなって固まってる
寝落ちした時に机に突っ伏してたからか頬が引き攣るのも多分鳥の脂だ
ホロジュールみてもぺこらの枠増えてない
俺が寝落ちしてからもゲリラはなかったみたいだね
これから床に落ちたショートケーキ片付けて捨てるよ
お腹すいたからチキンはチンして食べようかな?
でもそんなみっともないことないよな、捨てるべきだろってよくわからない冷静な感情が交錯してる
さっさと片付けてシャワー浴びて、今からでも手に入るクリスマスケーキもっかい探そうぜって心の中の俺が言ってくる
ぺこちゃんのイラスト描いてもらった特製ケーキは床で潰れてるけど、コンビニとかスーパーのケーキでもいいよね?
長と一緒にメリークリスマスってゲラゲラ笑いながら蝋燭吹き消せればそれでいいよね?
そんな、そんなさ…たったそれだけの望みだったんだよ。
ぺこちゃんと一緒に夜にメリークリスマスって一言言葉をかけ合いたかっただけなんだ。
そんなことも僕の望み過ぎだったのかな?身の丈に合わないことだったのかな。
長がクリスマスの話を配信でするたびに、そんな当たり前の夜が来ると思って上司に意地でも休むって有給申請書出してはんこ押させてさ
周りの同僚にお前彼女なんていないだろ?って陰で笑われてるって自覚しながら、それでも胸張って休んで前もってケーキ頼んで
なんならTwitterにあとで載せられるようにデスク周りにオーナメントつけたり卓上ツリーに長のアクキーとか飾り付けてデスクトップの壁紙も長にしてた
あとは長のにーんじん、が鳴ってペコラップが流れて、こんぺこーあーんたたちクリスマスになーにシケたツラしてんだよファファファ!
でも、ぺこーらのためにクリスマスあけてくれて嬉しいペコよ!ファファファ!
そうやって少し嫌そうな素振りみせながら、でも笑って不安な気持ち吹き飛ばして僕に笑顔をくれる。
そんなぺこらとクリスマスイヴをたった一時間でも過ごしたかった。
ただ、それだけなのにさ。
だめだ、ぐだぐだ書いてても未練しか出てこねぇ
涙なんか乾きもしねえ
床掃除して風呂入ってくる
長文ごめんな

 

この長文コピペに関しては、その典拠は未確認の状態にあり、第三者による意図的な創作、すなわち捏造であるとする仮説も提唱されている。それにしても、その筆致からは特筆すべき文豪である可能性が示唆される。

これら投稿群、とりわけ「チキン冷めちゃった」という、かの種田山頭火の自由律俳句を彷彿とさせる言説は、その悲壮感を内包した構造的単純性から、某匿名掲示板を起点とし、SNS、情報集積サイト(まとめサイト)等を経由して指数関数的な伝播速度をもって広範な認知領域を獲得するに至った。伝播経路としては、5chの応答データが『なんj』へと移送されスレッドが構築され、次いでトレンドブログ、ニコニコ大百科やpixiv百科事典といった知識集約型プラットフォームがこれを編纂・整理し、最終的にTwitterを通じて拡散される、という一連のプロセスに関する一考察が提示されている。

 

 

「冷却肉禽事変」直後の状況とファンの反応

翌日、すなわち12月25日に実施された配信において、兎田ぺこら本人は、配信休止の理由に関する釈明を行った。最初は「言いたくないや」とも言っていたが、彼女によると、「当時、聴覚器官の疼痛により医療機関への通院を余儀なくされており、その影響による精神的活動力の減退、加えて、同組織所属の他の配信者の活動が活発であったため、己の出る幕はない」と判断したことをその論拠として提示している。謝罪の意も表明されたが、それは形式張らない、むしろ軽妙洒脱とも評し得る態度で実施された。

この説明に対し、「仕方ない」として事態を受容した支持者層も一定数存在した一方で、ぺこらとの聖夜における仮想的共体験を強く希求していたが故に、謝罪表明後もなお精神的充足の未達に対し、宥恕の意を示し得なかった層もまた存在したのである。彼らの中には、ぺこらへの熱意が、あたかもチキンの温度低下のごとく冷却し、当該主体への支持を撤回する、いわゆる『ファン離脱』を選択した個体も観測された。インターネット上では「イブに自分たちを選んでくれなかったという事実だけはしっかりと心に残ってしまっている」「10万円で気づけて良かった、俺はただの“あんたたち” さようならぺこちゃん、これまでありがとう」といった関係性の終焉を示唆するテキストデータや、配信中における高額課金システム(スーパーチャット)を利用した離反表明という特異な行動形態も報告されている。

当該事象に対する外部観測者の反応は多岐にわたった。支持者層を批判する声も数多く観測され、「イブに予定が入っただけ」「体調が悪かったとは考えられないのか」「オタク気持ち悪い」といった論調が散見された。

バーチャルYouTuberという文化領域に親和性の低い層から見れば、ぺこらに対する対象への過剰な心理的傾倒、すなわち一種の固着と解釈された蓋然性が高い。一方で、ぺこらに対しても、「あらかじめ配信を告知していたのに、Twitterなどでも一切連絡せず突然休んだのも大概」といった批判的論考もまた提起された。さらに、この事象によって生成された悲壮感を帯びた「チキン冷めちゃった」を、一種の名文としてパロディ的アプローチによる逆説的評価を行う者も存在した。一時期、ぺこらの配信における同時接続者数が減少したとの未確認情報が流通したが、これはプラットフォーム側の技術的不具合(バグ)であったことが後に事実として確定し、ぺこらへの観測可能な負の影響は限定的であったと結論付けられる。

 
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「チキン冷めちゃった」ミームの広がりと意味の変化

「チキン冷めちゃった」という言語表現は、事象発生以降、原初的文脈から離床し、自律的な意味拡散を開始するネットミーム、あるいはスラングとして機能し始めた。

長文コピペとの共時的拡散により、一時期は兎田ぺこら本人、あるいはバーチャルYouTuberという存在様態そのものに批判的な層によって、バーチャルYouTuber支持者を「チー牛」「バチャ豚」といった既存の侮蔑的語彙と共に、嘲笑および侮辱を目的とした記号的援用が観測され、また、略称である「冷めチキ」がバーチャルYouTuber支持者全体を指す蔑称としての機能が付与される事例も報告された。それ故、このミームには差別的含意が付与される可能性が存在することに対し、意味合いの多層性に対する注意喚起が必要である。

特に、物理的実体を持つ著名男性配信者において、その傾向はより顕著に観測される。しかしながら「チキン冷めちゃった」というのが当初より面白半分目的で投稿されたものだと仮定した場合、アンチと称される批判的集団が、その非難のベクトルをいずれの対象に向けているのか、論理的整合性に関する疑義が生じる。そして、その男性配信者の支持者コミュニティにおける規範意識レベルには議論の余地があり、結果として当該言説のレトリック的説得力は著しく減衰していると評価せざるを得ない。

 

数年の歳月を経るにつれ、この言語表現はインターネット上の著名人によっても遊戯的文脈における利用事例が増加し、バーチャルYouTuberに造詣の深くない層の間でも、単なるネットミームとして一般認知の様態に変容が見られた。

 

 

「冷めチキ事件」その後:兎田ぺこらの対応と恒例化

当初、兎田ぺこら本人は、この事象に対する直接的言及は回避される傾向にあった。しかし、2022年7月6日に実施されたラプラス・ダークネスとの共同配信において、ラプラスから「冷めたチキン持ってくか」「ビール冷えちゃった」との遊戯的指摘を受けた事象を契機として、心理的障壁に一部亀裂が生じ、場の緊張緩和が観測され、その後は宝鐘マリンや湊あくあ(現在、暁に所属)など、他のホロライブ所属メンバーからも遊戯的対象として受容される傾向が強まった。

2022/07/06 <59:07~>
【#ぺこラプ】ラプちゃんとギリギリ泥酔トークするぞ!!!!!!!ぺこ!【ホロライブ/兎田ぺこら】

ぺこら
「あります?やらかしたこと?」

ラプラス
「これwww」
「えっ?これ・・・ちょっと・・・」
「ぺこらさんから聞きたいなーww」

ぺこら
「ファファファファファ!」

ラプラス
「ライン探りにいこうかなー」

ぺこら
「やらかしたことかー」

ぺこら
「なんだろう?」
「無いかもな。その、やらかし?何がやらかしなんだろ、その・・・まぁww」

ラプラス
「笑っちゃ・・・笑うなwww」

ぺこら
「何個か出せるわけだけど・・・」

ラプラス
「出していいか分かんないですから」

ぺこら
「コメントで『クリスマスやろがい』www」

ラプラス
「おいやめろ!クリスマス!」
「やばいって!」

ぺこら
「いやーあれさー」
「クリスマスはさ、やるネタが無くて休んだの。でもなんか、変にまとめられたのね」
「ぺこーらが前日とかで冗談で『クリスマスは皆と1日過ごしたいぺこ』みたいなのを言ってて」

ラプラス
「冗談でww」

ぺこら
「言ってたのに『俺は信じてたんやぞ・・・ぺこら・・・』みたいな感じでさ」
「冷めちゃったらしくて」

ラプラス
「冷めちゃったwww」

ぺこら
「それがちょっとーなんかやらかしちゃったかなとは思った。」

ラプラス
「いやクリスマスはやっぱオタク君は、推しと過ごしたいと思っちゃうから」

ぺこら
「今年は皆過ごそうね。これでぺこーらがクリスマス今年やんなかったら、言っていいよww」

ラプラス
「そしたら吾輩もあれですよ。」
「ぺこらさん家まで凸して、『お前配信やれよ!』って言いに行きますよ」

ぺこら
「ファッファッファッファッファ!」

ラプラス
「一緒にやらされるの配信?」

ぺこら
「そうだよ互いにやろうよ。」

ラプラス
「じゃ、冷めたチキン持ってくか」

そして、事象発生から正確に1年が経過した2022年12月24日には、兎田ぺこら自身がこの事象を能動的にパロディの素材として活用する戦略を採用した。宝鐘マリン主催の企画『シスターマリンの懺悔室』に出演し、「チキン冷めちゃった事件」や、過去に他の同僚に対しても物理的冷却効果(マリンの布団を冷却した、というメタファー的表現)をもたらしたとされる行為について、自己の行為に対する省察、及びそれを表明する儀式的行為を行ったのである。さらに毎年クリスマスの時期になると「手部振動が止まらぬ」と、その心痛を吐露。

2022/12/24 <41:21~>
【#シスターマリンの懺悔室】懺悔するホロメン…とスペシャルゲスト【ホロライブ/宝鐘マリン・白上フブキ】

ぺこら
「皆さんクリスマスで兎田ぺこらって思ったら何がまず浮かべるかなと思うんですけど」
「去年ちょっとあの兎田ぺこーらクリスマス配信を無断で何も言わずに配信をしなく、リスナーさんのチキンを冷めさせたということがなんかあったっていうのを知ってらっしゃる方いますか?」

マリン
「なるほど・・・チキン・・・冷めちゃった、なるほど」

フブキ
「ありますね、はい」

ぺこら
「ちょうど今日なんですたぶん、冷めさせちゃったのが」

フブキ
「1周年記念で」

ぺこら
「ぺこーら的にはまぁその、なんですかねすぐこの話題も過ぎ去るのかなとか、ちょっと思ってたんで最初言われたときに」
「まぁどうせ忘れるわみんなって思っていたら、1年以上このネタがずーっとなんか細々と続いてしまい、今年も冷めさすんじゃないのかどうなのかというふうに言われていて、ぺこらもどうすればいいのかがわからない状態で助けてください」

マリン
「一旦ね今まずチキン会場が立っているんですけれど、ここに出向くか出向かないかもちょっと悩んでいるですね?」

ぺこら
「そうなんですよ。あの枠を立てたときにはやろうかなって思ったんですが、エゴサをしてるとむしろもうやらないほうがいいとか」

マリン
「アッハハ!」

ぺこら
「やってもいいけどやらないほうがおもろくねとか、でもどうせやらなかったらやらなかったで怒るじゃないですかって思ってて」

マリン
「フハハハハハ!」

フブキ
「フフフ!」

ぺこら
「もうぺこーらこのクリスマス時期になると手の震えが止まらなくて・・・」

マリン
「あーなるほどー」

ぺこら
「こわくなってトラウマになってしまったぺこなんですね」

 

その後、自己のチャンネルにおける配信では、「チキン待機会場」と題された枠を設定し、前年の事象の再演を試みつつ、問題の核心たる「チキン」の物理的調理を敢行するという企画が実施された。

配信冒頭部では、「チキン冷めちゃった」の経緯を解説する映像コンテンツが提示され、「チキン、温めにきました」との象徴的な言説が挿入されていた。ミームが予期せぬ規模への発展であったこと、そして「おもちゃにされまくり」と感じていた内的心理状態を開陳しつつも、「確かにぺこちゃんが悪いけど、1年も続けなくてええやろ!」と、対象物(チキン)への擬似的な敵対感情を表現するパフォーマンスとして、物理的穿孔行為などが観測され、コミュニティ内における一種の祝祭的イベントへと昇華させるに至った。最終的には「冷めたら温めればええねん!」という認識論的帰結を提示し、自己調理によるチキンに対し、顕著な満足感を伴う摂食行動を示した。これにより、負の事象を自己言及的パロディへと転換せしめる高度な精神的回復力(レジリエンス)を誇示したのである。

 

西暦2023年5月16日、被験者・兎田ぺこら氏は、汎用大型言語モデル「ChatGPT」とのインタラクティブな対話セッションを実施した。本実験の実施動機は、著名なお笑い芸人である陣内智則氏による同AIを用いた先行実験動画に、被験者が強く触発されたことに起因する。被験者は、Yahoo!ニュース経由で当該動画コンテンツに接触し、「めちゃめちゃ面白い」と、その学術的・娯楽的価値を極めて高く評価。「自分もChatGPTに色々質問してみたら、おもろいこと言ってくれるんかな」との仮説を立て、自ら検証実験に臨むに至ったのである。

当該配信において、被験者は人工知能に対し、多岐にわたる質問項目群を提示した。その内容は、自己のアイデンティティ(自己紹介)、パブリックイメージ(特徴・評判)に関する自己言及的問いから、将来的な活動の方向性に関する戦略的提言の要求まで、極めて広範な領域をカバーしていた。

本実験におけるハイライトとして、被験者がChatGPTに対し、自身の公的評価における負の側面、すなわち「悪い噂」に関する情報開示を要求した場面が挙げられる。これに対する人工知能の応答は、以下の通り、極めて高度な倫理的配慮と一般化に終始した。まず、「兎田ぺこらさんについて具体的な悪い噂は、私の知識範囲ではありません」と、個別具体的な負の情報提供を明確に拒否。次いで、ホロライブ所属タレントは広範な支持を得ているとしつつも、個人によっては多様な意見や批判が存在しうるという、社会学的一般論を展開。最後に、インターネット空間には不正確な情報や中傷が存在しうるため、悪意ある情報に対するメディアリテラシーの重要性を説くという、教育的かつ予防的な注意喚起を行った。

この模範的とも言える応答に対し、被験者たる兎田ぺこら氏は「悪いこと教えてくれないのね」「いいやつやん普通に」と述べ、人工知能に実装された倫理的制約機能、すなわち「ガードレール」に対し、驚きと共にある種の肯定的な評価を下すという反応が観測された。

実験が進行する中、被験者がスキャンダルに関する質問を深掘りした際、当該AIの知識データベースが「2021年9月まで」という、決定的な技術的制約、すなわち「知識のカットオフ」が判明した。この事実の発見は、被験者に対し、ある重大な気づきと、それに伴う心理的安堵をもたらした。彼女は「あーだからチキンが出ないのかよかった」との発言を行ったのである。これは、AIの知識ベースが、かの「冷却肉禽事変」(2021年12月発生)の勃発以前に固定化されていたが故に、当該事象がAIの認識範囲から欠落していたという論理的帰結に到達したことを示している。自身の活動史における象徴的な炎上事件が言及されなかったことに対し、被験者が安堵の情を示したことは、極めて興味深い観測結果である。

本配信は、人間と人工知能との対話という、新たなコンテンツ形態の可能性を探る貴重な実験記録となった。それと同時に、AIの技術的制約という偶然が、結果として被験者の過去のトラウマティックな事象との意図せぬ接触を回避せしめたという、サイバネティクスと人間心理が交差する、示唆に富んだ一事例として、学術界に記録されるべきである。

2023/05/16 <40:02~>
【ChatGPT】AIにホロライブのこと色々質問してみる!!!!!!!!!!ぺこ!【ホロライブ/兎田ぺこら】

ぺこーらは、これはさ、乗り越えたから。
ぺこーらだからこれ聞けんだからな!本当だったらこんなん聞けねーからな!

これでなにも出なかったらセーフねー!

・・・あれ、大丈夫そうじゃん?
チキンのこと1回も書いてないww ファッファッファッファッ!

2023/07/16 <1:51:30~>
【#ぺこーら24】兎田ぺこら24時間ぶっ通し生配信🥕1枠目【ホロライブ/兎田ぺこら】

ぺこら
「難しかったぺこですな。チキンはぺこーらも好きだな。」

あくあ
「チキン冷めちゃった・・・」

ぺこら
「続いて、春を・・・色に・・・」

ぺこら
「おい!誰か今言ったなー!」

スバル
「人の枠だよ!あくたん!」

ぺこら
「おい今なんか冷えたって聞こえたけど、だれ?だれ?」

あくあ
「あぶねー滝汗かいたー」

ぺこら
「ふざけんじゃねぇぺこだよ」

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2023年7月には、「全人類兎化計画ぺこらっち」というたまごっち風ゲームの公式解説文において、「放置しすぎるとチキンが冷めてしまう!?」(原文ママ)との記述が見られ、公式サイドによるミームの遊戯的援用が確認された。

 

2023/08/08 <31:35~>
【凸待ち】5周年むかえたし今日こそみんなと普通にしゃべるんだ!!!【#湊あくあ5周年】

あくあ
「え、なんかおはぎ冷めちゃうな~」

ぺこら
「おはぎ元々冷めてても美味しいだろ!」

あくあ
「フフーッ ファッファッファ フフ」

ぺこら
「これでしかコミュニケーションの取り方ねぇぺこなのか」

あくあ
「この脈絡のないホタテは何?ねぇ」

あくあ
「ホタテ冷めちゃうよ」

あくあ
「てか冷めちゃうよしかネタないんだけどw」

西暦2023年12月25日、聖夜の夜に、極めて高度かつ複雑な構造を持つ儀礼的パフォーマンスが観測された。配信主体・兎田ぺこら氏は、「チキン冷やし会場」と題された、意図的な不作為状態を現出させるための実験空間を構築。この空間には、熱力学的平衡状態へと向かう鶏肉加工食品(チキン)の静止画のみが投影され、約数万名もの観測者(視聴者)が、この虚無的空間の変容を固唾を飲んで見守るという、特異な状況が現出した。
その一方で、主役たるぺこら氏本人は、並行して開設された別個の配信空間において、『Pフィーバー機動戦士ガンダムユニコーン』と称される射倖性の高い遊技(パチンコ)の実況にそのリソースを傾注していたのである。この二元的な配信構造は、観測者に対し、意図的に「チキンが冷却される」という悲劇的状況を追体験させつつ、配信主体は別次元で享楽に耽るという、前年の「温める」という救済の物語を根底から覆す、高度な自己言及的パロディ(自虐ネタ)として機能した。

「チキン冷やし会場」のチャットログからは、「チキン冷えちゃった」「待ってたのに…」といった、儀礼の定型句ともいえる悲壮な言説が観測された。しかし、それらはもはや純粋な悲嘆ではなく、むしろ儀礼参加の証としての様式美を帯びていた。ぺこら氏が射倖遊技配信において「ぺこら遊びにいっちゃった」と、自らの逸脱行為を軽妙に笑い飛ばすと、両方の配信空間は一種の祝祭的熱狂に包まれた。特に、パチンコ遊技において高確率状態への突入(大当たり)が観測されると、チャット空間には地鳴りのような歓声が沸き起こり、二つの並行世界が感情的に同期するという、驚くべき現象が見られたのである。

最終的に、射倖遊技配信の終了後、「それでも!!!!!」という、同遊技における奇跡の到来を示唆する象徴的な演出と共に、主役たるぺこら氏が満を持して「冷やし会場」へと降臨した。その滞在時間は約30分という、物理的には極めて短いものであった。しかし、この最後の最後に見せる配慮、なんだかんだ言いながらも顔を出すというツンデレ的行動様式は、長時間にわたり冷却され続けた観測者たちのチキン(物理的および比喩的)と、その心(心理的)に対し、マイクロ波加熱機器(通称:電子レンジ)の比ではない、絶大な熱回復効果をもたらしたのである。結果として、この複雑な儀礼は「面白かった」「センスある」「最後は温めてくれてありがとう」といった、極めて肯定的な評価をもって観測者コミュニティに受容されたのであった。

2024/06/24 <47:14~>
【#味ぽん コラボ!】ホロぽん飯テロ部始動!相関図やりまっする???【白銀ノエル/ホロライブ】

ノエル
「ちょっとこれw」

「団長の相関図だから、ぺこらっちょのイメージを挙げるとすると・・・」

「やっぱり印象深いのは、「チキン冷めちゃった」www」

「ちょっとあのチキン冷めちゃった知らない人は」

「ま、とにかく、チキン冷ましちゃったんですよ」

「ぺこらっちょ自身もネタにして今はむしろ、なんかあの去年か去年だったけな、去年のクリスマスとかはわざとねチキンを冷ましてなんか打ってましたけど」

 

西暦2024年の聖夜においても、前年度までと同様の「チキン冷やし会場」と称される配信枠設定事象が、極めて高い再現性をもって観測された。当該「チキン冷やし会場2024」の実験枠は、聖夜当日の早朝という極めて早い時間帯に構築され、当初は同日12:00の開始が予定されていた。しかし、実際には17:00へと開始時刻が延期されるという運用上の変更が加えられた。この時刻変更と同期する形で、前年同様、射倖性の高い遊技(パチンコ:Pフィーバー戦姫絶唱シンフォギア2)の実況配信枠が別途設定され、配信主体たる兎田ぺこら氏は、リソースを優先的に後者へ配分しつつ、並行して「チキン冷やし会場」における芸術的パフォーマンスの遠隔操作を行ったのである。

配信開始後、観測者(視聴者)の視覚野に提示されたのは、暗黒の背景に、熱力学的エントロピーの増大を示唆する湯気を発する一塊の鶏肉加工食品(チキン)のみであった。聖夜を想起させる音響効果(BGM)が流れる中、この主役たる肉禽は、あたかも時空間を超越した巡礼者のごとく、サバンナ、古代エジプトのピラミッド、極寒の雪国、そして新宿歌舞伎町の繁華街といった、文脈的に脈絡のない多様な背景へと次々に転移させられるという、極めてシュールレアリスティックな映像演出が展開された。まさしくこれは、一羽の肉禽が辿る壮大な英雄譚、すなわち「チキンの旅」の視覚的叙事詩であった。この遍歴の終着点として、母性的象徴(ぺこら聖母体、通称ぺこらマミー)が出現し、放浪の末に冷却されたチキンを回収、最終的にマイクロ波加熱機器を用いてその熱的状態を回復させるという、救済と再生の物語が描かれたのである。

待機チャットログの分析からは、「今年も来なかったか…」といった、期待の未充足に起因する嘆きの言説が顕著に観測された。配信主体が物理的に姿を現さず、射倖遊技へと傾倒したことに対し、一部の観測者からは失望、あるいはある種の諦観に似た感情の発露が確認された。
しかしながら、その一方で、この意図的な不在と放置プレイとも言える儀礼全体を、高度な遊戯的パフォーマンスとして受容する層も多数存在した。チャットログからは「またネタにしてくれた」「予想以上に面白かった」といった、本実験の企図を肯定的に評価する言説も散見され、観測者コミュニティ内部における感情の二律背反という、興味深い社会心理学的現象が浮き彫りとなった。

射倖遊技配信の終了後も、兎田ぺこら氏本人がアバターを伴って「チキン冷やし会場」に出現することはなかった。しかし、配信画面上のテキストを通じて、儀式の終焉を告げる締めのメッセージが投下されたことが確認されている。このアバターレス・コミュニケーションによる非物理的な臨在は、観測者に対し、ある種の配慮や優しさを感じさせる効果をもたらしたとの報告もある。この一連の計算され尽くしたパフォーマンスは、単なる配信放棄ではなく、ファンとの間に築かれた独特の関係性を基盤とした、新しい形のエンターテインメントの可能性を示唆していると言えよう。

 

これらの行動様式は、支持者へのサービス提供という側面のみならず、「敵対的勢力による放火行為を未然に防ぐため、クリスマスに配信を実施する」という対アンチ戦略的側面が付随している可能性も排除できない。

 

事象発生直後から2023年頃にかけて、毎年クリスマスの時期になると「手の震えが止まらない」と言っていたこのウサギが、この出来事を遊戯的要素として受容する姿勢を示したことは、特筆すべき動向である。このように、「チキン冷めちゃった」ミームは、単なる負の炎上事象から、当事者本人によるパロディ化、他のホロライブメンバーとの相互作用、公式企画への導入、そして年末における一種の慣習的イベントへと、その形態を流動的に変化させつつ、コミュニティ内における文化的定着を遂げたのである。

 

海外の反応

かの「チキン冷めちゃった」ミームは、その影響範囲を日本列島に限定することなく、洋の東西を問わず伝播する現象が観測された。「Chicken Got Cold」なる適切な英語名が付与され、国際的電子情報交換網、特にRedditや4chanの/vt/板といったプラットフォームを主要媒介として、海外の支持者集団(ファンコミュニティ)においても認知されるに至ったのである。

異文化圏に属する観測者群は、極東の島国における特異な聖夜の慣習、すなわち「恋人と過ごす特別な日」という認識論的枠組みや、特定企業(KFC)の提供する鶏肉加工食品を消費するという食文化に対し、一種の文化人類学的驚嘆を示しつつも、本件「冷却肉禽事変(れいきゃくにくきんじへん)」の構造的本質を把握し、これを遊戯的記号体系(ミーム)として消費・享受する高度な異文化理解能力を発揮する様子が報告されている。

とりわけ注目すべきは、事象発生の翌聖夜に兎田ぺこら氏自らが挙行したとされる、件のKFC社製鶏肉加工食品に対し物理的な再加熱処理を施すという、極めて象徴的な儀礼行為、すなわち「和解配信」である。この試みは、国境を越えた観測者からも広く肯定的な評価を獲得し、彼女の卓越した諧謔的感覚(ユーモア)および、支持者集団に対する計算され尽くした配慮戦略は、学術的にも特筆すべき対象として高く評価される結果となった。

総括すれば、海外ニキ及び海外ネキは、この「Chicken Got Cold」ミームに対し、文化体系間の顕著な差異性を前提としつつも、国境を超えた共感性と普遍的なユーモア感覚をもってこれを能動的に受容した。結果として、この一連の騒動は、主体たる兎田ぺこら氏とそのグローバルなファンダムとの間の心理的・社会的な紐帯(絆)を、逆説的にも強化する触媒として機能したと結論付けることが可能であろう。

 

「冷めチキ構文」など派生ミームの紹介

本件事象を原典として、二次的、三次的な創作物、すなわち派生ミーム群が生成された。

1.バーチャルYouTuber「冷田チキン(さめたちきん)」の出現が確認された。兎田ぺこら氏の言語的特徴や名称をパロディ化した活動を展開している。推しマークは🦈🍗である。2023年以降は動きがないようである。

2.大手Q&Aサイト『ヤフー知恵袋』において、「チキン冷めちゃった」の英語翻訳を問う質問に対し、「I miss you.」という機知に富んだ応答事例がみられた。「I miss you.」とはどういう意味かというと、「あなたがいなくて寂しい」である。

3.その他、この「冷めチキ構文」と称される言語テンプレートを用いた多数のコピペや遊戯的創作物が、SNSや動画共有プラットフォーム『YouTube』などで散見される。
派生スラングは、「〇〇冷めちゃった(冷えちゃった)」の形式に留まらず、「〇〇、~しちゃった」といった、より抽象化・汎用化された形式も観測され、もはや、その応用範囲は極めて広範に及び、構造的制約は形骸化していると評しても過言ではないであろう。

 

 

 「チキン冷めちゃった」ミームの現在とまとめ

現在において、「チキン冷めちゃった」は、単なる失敗譚としてではなく、兎田ぺこら氏およびその支持者コミュニティにとって、一種の象徴的ナラティブとして受容されている。当初はネガティブな含意を強く帯びた事象であったが、時間経過と共に肯定的な文化資本へと再解釈・転換され、クリスマスシーズンにおけるVtuber界での風物詩的事象としての地位を確立している。
兎田ぺこら氏自身も、この事象を自身の活動履歴における構成要素として内面化し、クリスマス配信において毎年言及するなど、支持者コミュニティとの共創的エンターテイメントへと昇華させている。バーチャルYouTuberに対する敵対的勢力によるミームの悪用事例も観測されたが、兎田ぺこら氏の対応戦略によりその影響力は減退し、逆説的にコミュニティの内部結束を強化する触媒として機能した側面も認められる。この一連の事象は、バーチャルYouTuber文化およびインターネット・コミュニティにおける動態(ダイナミズム)を象徴する、極めて興味深い研究対象事例であると言えよう。ファン当事者にとっては極めて深刻な事態であったが、外部観測者からは遊戯的対象として捉えられる側面も併せ持つ、多層的解釈を許容する複雑性を内包したミームである。

 

西暦2025年5月26日、兎田ぺこらの配信チャンネルにおいて実施された「【切り抜き鑑賞会】みんなで手書き切り抜き観よう!!!!!!!!!ぺこ!【ホロライブ/兎田ぺこら】」と題された配信では当該記録の再生時間00:49:24地点において、注目すべき事象が観測された。

すなわち、かの「冷めチキミーム」を主題とした、すとらいる氏によって制作された手描きアニメーション形式の二次創作動画(切り抜き動画)を、配信主体たる兎田ぺこらが、多数の同時接続視聴者と共に鑑賞するという、極めてメタ的な状況が現出したのである。

 

「冷却肉禽事変」発生より、実に約4年という歳月が経過した現在においても、当該ミームに触れた兎田ぺこらは、「毎年クリスマス困ってんだよ!」との、切実かつ半ば諦観にも似た感情の発露と解釈し得る言説を呈したことが確認された。この反応は、ミームが彼女の活動史において、いかに根深く、かつ定期的に回帰する文化的アイコンとなっているかを如実に物語るものである。

従来、クリスマスシーズンにおける兎田ぺこらの活動様式としては、射倖性の高い遊技(パチスロ)の実況配信と、意図的にチキンを冷却する(あるいはそのように見せかける)ための専用配信枠、通称「チキン冷やし会場」の並行実施という、一種の様式美とも言うべきパターンが確立されつつあった。

しかしながら、今回の配信における彼女自身の内省的発言からは、この定型化された儀礼に対し、配信主体自身が何らかの現状維持に対する疑問、あるいは変化希求の念を抱いている可能性が強く示唆される。この観測結果に基づけば、本年、すなわち2025年の聖夜における「冷却肉禽ミーム」関連の催事においては、従来とは異なる新たな展開、あるいは既存パターンの創造的破壊が見られる蓋然性が高まっていると予測され、学術界としても引き続きその動向を注視していく必要があるといえる。

 
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西暦2025年6月、マイクロブログプラットフォーム「X」(旧Twitter)を震源地として、二つの極小テキストを巡る比較文学的論争が勃発した。その討議の対象となったのは、我が国インターネット文化が生んだ象徴的言説「チキン冷めちゃった」と、20世紀文学の巨匠アーネスト・ヘミングウェイに帰せられる世界最短の小説「売ります。赤ん坊の靴。未使用」である。このデジタル空間における突発的な学術的討議は、テキストの価値を巡る新たな視座を提供するものとして注目される。

まず、両テキストを物理的な記号数という量的指標に基づき比較検討する。「チキン冷めちゃった」は、日本語の表音・表意文字体系において僅か9キャラクタで構成される。この構造的単純性は、状況の即時的伝達において驚異的な効率性を示す。一方、ヘミングウェイの原文とされる「For sale: baby shoes, never worn」は6単語で構成され、本邦における一般的な翻訳「売ります。赤ん坊の靴。未使用」では、句読点を含め14キャラクタを要する。したがって、純粋な字句単位における経済性という評価軸においては、「チキン冷めちゃった」が明確な優位性を示すことは論を俟たない。ここに異論を挟む余地はないであろう。

しかしながら、テキストが内包する情動喚起力(アフェクティブ・インパクト)は、物理的なキャラクタ数のみによって規定されるものではない。ヘミングウェイの6単語には、我が子を喪失した親の計り知れない悲哀と、その後の人生の空虚さが凝縮されており、受信者(読者)の想像力に対し、強烈かつ持続的な作用を及ぼす。対する「チキン冷めちゃった」もまた、熱的平衡状態へ移行した鶏肉に投影された、期待からの落差に起因する純粋な悲壮感を伝達するが、その悲劇性の深度という質的評価軸においては、ヘミングウェイのナラティブに一歩譲るとの評価が支配的である。

ところが、解釈の多様性、すなわち意味論的ポテンシャルという観点から再評価を試みると、事態は異なる様相を呈する。「チキン冷めちゃった」の9文字からは、「裏切られた期待」「ユーモア性」「あなたがいなくて寂しい孤独感」、さらには「マイクロ波加熱機器の有用性の再認識」や「事前連絡(アドバンス・ノーティス)の重要性」など、極めて多岐にわたる意味論的レイヤーを抽出し得る。この解釈の自由度においては、むしろ「チキン冷めちゃった」に軍配が上がると主張する学派が存在しても何ら不思議ではない。

「短い小説」という文学的構築物として成立し得るかという問いにおいては、ヘミングウェイの6単語が優位に立つ。これは、単なる語数の問題ではなく、テキストが内包する物語的深度と、読者の想像力を喚起する意図的な構造設計に起因する。

さて、ここで両者の起源(オリジン)に目を向けることは、極めて重要である。ヘミングウェイの作品とされる言説は、実際には彼の創作であるという確固たる証拠は存在せず、1910年代の新聞広告にその原型が見られるとする説が有力である。にもかかわらず、フラッシュフィクションの規範的事例として、その文学的地位は揺るぎない。
対照的に、「チキン冷めちゃった」は、兎田ぺこら氏に関連する「冷却肉禽事変」という、発生起源が極めて明確なデジタルミームであり、当初より文学作品としての意図を持って創造されたものではない。リスナーの悲哀を表明するフレーズでありつつも、その根底には遊戯的、あるいはパロディ的な文脈が色濃く存在し、両者を同一の文学的評価軸上で比較することには、一定の困難、あるいは方法論的な錯誤が伴うと指摘せざるを得ない。

結論として、物理的短さという量的指標においては「チキン冷めちゃった」が勝利を収めるが、感情的ペイロードの深度と文学的インパクトにおいてはヘミングウェイの言説が優位に立つと評価できる。両者は、それぞれが異なる文化的・歴史的文脈において特異な価値を有する、甲乙つけがたい名句であり、比較不能な別次元の記号体系である。この二つのフレーズは、それぞれの領域における金字塔として、後世に語り継がれていくことであろう。

 

 冷却肉禽ミームの法的境界線上における事例研究

かの「チキン冷めちゃった」という言語的アイコン群、通称「冷却肉禽ミーム」は、バーチャルYouTuberを支持する特定集団(ファンコミュニティ)内部において、親和性の高い遊戯的表象として機能し、ある種のコミュニケーション・プロトコルとしての地位を確立していると分析される。しかしながら、この記号体系の運用方法論によっては、当該VTuberが所属する組織体(事務所)側が、保有する諸権利に対する侵害行為と認識する潜在的危険性が存在すると、一部の識者より指摘がなされている。本件における問題の核心的所在は、ミームそれ自体の存在論的価値にあるのではなく、当該ミームを援用した個々人の言説や行動様式が、対象タレント及び所属組織に対し、いかなる解釈的影響を及ぼすかという関係性の力学に求められるべきである。具体的事例を挙げれば、所属タレントないし所属組織の社会的評価を不当に貶める意図を持つ投稿、あるいは常軌を逸した揶揄の反復的行為は、法概念上の誹謗中傷と認定される蓋然性を有する。加えて、タレントの公的イメージの毀損を目的とした行為、または精神的苦痛を惹起せしめる行為が、権利侵害の構成要件に該当し得るとの法解釈も提示されている。

 

西暦2025年5月22日、マイクロブログプラットフォーム「X」において、あるユーザーが、ホロライブを運営するカバー株式会社より、発信者情報開示請求を受けたとされる報告が観測された。
当該ユーザーの投稿内容を一次資料として分析するに、開示請求の対象とされた事案は、例の「チキン冷めちゃった」ミームに関連するものであり、直接的な問題行動とされたのは、同ミームの文脈に依拠しつつ、公式推奨ハッシュタグ「#ぺこらーと」を付与して投稿された、いわゆるファンアートと称される視覚的創作物(絵)であったとされている。

とはいえ、表層的な「チキン冷めちゃった」ミームの直接的取り扱いのみが原因であるとは考えにくく、むしろ、当該投稿に内包された、あるいは別途投稿された問題性の高い視覚情報コンテンツが、真のトリガーとなったと推察するほうが、事象の合理的解釈に資するであろう。その問題視されたと推測される画像群には、聖夜(クリスマス)において特定のタレントが異性と親密な時間を過ごしているかのような描写、甚だしきに至っては、当該タレントが衣服を纏わぬ状態で性的交渉に及んでいるという極めてセンシティブな表現物が含まれていたとの情報が示唆されている。

なお特筆すべき点として、このユーザーは、件のイラストレーションが原因で実施不可能となったとされる企画が存在し、それによって生じたとされる経済的損失に対する賠償請求が行われる可能性についても言及している。

当該Xユーザーの過去のデジタルフットプリント(投稿履歴)を遡及的に調査した結果、反Vtuber的イデオロギーの保持が強く示唆され、Vtuber支持者層を嘲笑の対象とする意図が込められたイラストを多数生成・伝播していた事実が確認された。さらに、そのフォローリストという社会的ネットワーク構造から類推するに、やはりというべきか、特定の物理的実体を持つ男性著名配信者「K」氏や「Y」氏の支持者コミュニティ、すなわち特定のサブカルチャー・クラスターに属していた可能性が高いと推論されるのである。

 

カバー株式会社は、所属タレントに対する誹謗中傷行為やその他権利侵害行為に対し、積極的に法的措置を講じるという組織的方針を明確にしている。同社は過去、例えば2023年度においては14件の発信者情報開示請求を実施し、そのうち9件において発信者の特定に成功、さらにそのうち4件については、損害賠償金の支払い及び将来的な書き込み禁止等を条件とする和解契約の締結に至ったと公表している。また、所属タレントの生命・身体に対する具体的な脅迫行為が確認された場合には、警察当局との連携体制を構築し、厳格な対応を行っていることも付言しておく。
VTuber事務所が、このような問題に対し厳格な姿勢で臨む背景には、過去において悪質な誹謗中傷が原因で、所属タレントが深刻な精神的ダメージを被り、結果として活動休止という事態に追い込まれたという、看過できない事例が存在することが挙げられる。これらの苦い経験則に基づき、企業としては予防的措置(プロアクティブ・メジャーズ)として、より強固な姿勢を示す傾向にあると分析できる。

 

一方で、ファンコミュニティ内部において慣習的に受容され、親しまれているミームの利用に対し、企業側の判断基準によって一方的な制限が加えられることは、表現の自由という普遍的価値や、ファン文化の自律性といった概念に対する一定の懸念を惹起する可能性も否定できない。過度な保護主義的アプローチは、逆説的にタレントとファンの間に心理的距離や迷いを生じさせ、良好な関係性を阻害するファクターとなり得る。本問題の本質は、「いかなる表現が遊戯的範疇(ネタ)として許容され、どのラインを超えると明確な権利侵害行為として認定されるのか」という、その判断基準の曖昧性に起因する部分が大きい。
明確なガイドラインが提示されない状況下においては、ファンは自己の表現活動に対し過度な自粛傾向(いわゆる萎縮効果)を示し、自由闊達な創造性が制限されるリスクが懸念されるとの指摘も存在する。企業側には、所属タレントを保護する重大な責務が存在する一方で、ファンコミュニティとの継続的な対話を通じて、双方にとって受容可能な適切なバランスポイントを見出す努力もまた、強く求められると言えよう。過剰な規制は、巡り巡って自社が展開するコンテンツそのものの魅力を減衰させるという、意図せざる結果を招来するリスクをも内包していることを、組織運営者は常に念頭に置くべきであろう。

 

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