Windows 付箋アプリ「付箋を読み込んでいます…」から変わらないときの対処法

Windows付箋(Sticky Notes)が「付箋を読み込んでいます…」のまま先に進まず、メモが表示されないトラブルにお悩みの方へ。
普段からデスクトップに常時表示している付箋が使えなくなると、大事なメモが見えなくなってしまい、とても困りますよね。
本記事では、「付箋読み込み中スタック」状態の原因と、解決に向けた対処法、さらには消えてしまったメモの復元方法について、わかりやすく解説します。
ご存じの通り、Windowsに標準搭載されている付箋(Sticky Notes)は、Microsoftが開発した、デスクトップ上にメモを貼り付けることができるアプリケーションです。これはサードパーティ製ではなく、Microsoft自身がWindowsの一部として提供しており、Windows 7以降では「Sticky Notes」として知られ、Windows 10以降では「付箋」という名前に変わり、機能が強化されています。
目次
詳しい状況と推定原因
詳しい状況を説明すると、付箋の背景色が黒く変わり、「付箋を読み込んでいます…」という状態から先に進まず、保存されていたメモ内容が表示されないのです。
この現象は、おもに「Windowsアップデート後」や「Explorerが応答しなくなるなど、PCの動作が不安定になった後」に再起動を行った際に発生しやすいようです。実際、記事執筆時点において、直近のWindowsアップデートが2025年2月12日に実施された後、帰宅してPCを起動したときにも同様の問題が発生しました。
【推定される原因】
Windowsアップデートにより、システム内のファイル構成やレジストリ設定が一時的に書き換えられるため、付箋アプリが参照するユーザー設定との整合性が崩れる可能性があります。また、主要なアップデートではユーザープロファイルのレジストリに影響が及ぶことがあり、その結果、付箋アプリが保持している設定情報が消失したり、正しく読み込まれなかったりする不具合が発生することが考えられます。
【補足:Windowsアップデートのスケジュールについて】
Microsoftは毎月のセキュリティ更新プログラムを「Patch Tuesday」として、アメリカ時間で毎月第2火曜日にリリースします。これに伴い、日本では時差の関係上、毎月第2水曜日または第3水曜日にアップデートが公開されることが一般的です。なお、パソコンのデフォルト設定では、起動時にWindows Updateデータが自動でダウンロードされ、アップデートは再起動またはシャットダウン時に適用される仕様となっています。
付箋読み込み問題の対処法
この付箋の不具合についてですが私の経験上、このまま放置しても問題は解消されません。
「付箋を読み込んでいます…」の状態が続いても、どれだけ待っても読み込みが完了することはなく(私個人の場合ですが)、次回起動時に付箋メモが消えてしまうこともありました。このような状況に直面した場合、まず最初に試していただきたい対処法があります。
付箋を読み込めていないだけで、メモの内容自体はPC内に残っている可能性があります。タスクバーに表示されている付箋アイコンを右クリックし、「メモの一覧」を選ぶと、保存されているすべてのノート、これまでのメモが一覧表示されます。そのリストから、読み込みがスタックしているメモをクリックすると、デスクトップに付箋がロードされるはずです。これで復旧できれば、とりあえずデータの復元は成功です。情報が消えていなくて、一安心できます。
メモの一覧にも付箋の内容が残っていない場合は、非常に厄介な状況です。付箋アプリ自体が正常に動作していない可能性があるため、その際は下記の手順を順に試して問題の解決を図ってください。
1. 付箋アプリの再起動を試す
単純な方法ですが、意外と効果的なことがあります。タスクバーの付箋アイコンを右クリックして「ウィンドウを閉じる」を選びます。または、タスクマネージャーから「Microsoft Sticky Notes」を終了させます。その後、スタートメニューから付箋アプリを開き直してみましょう。一時的な不具合なら、これだけで解決することも多いです。
2. データの同期状況を確認する
付箋アプリはMicrosoftアカウントでデータを同期できます。同期がうまくいっていないと、データが見えなくなることがあります。
<確認方法>
1. 付箋アプリを開く
2. 右上にある歯車マーク(設定アイコン)をクリック
3. 「同期」の項目を確認する
同期がオフになっていたら、オンに切り替えてみましょう。最終同期日時が古い場合は「今すぐ同期」などのボタンを押してみましょう。同期エラーが出ていないか確認し、あればメッセージに従って対処してください。
<注意点>
同期機能を使っていない場合は効果がありません
インターネット接続が必要です
Microsoftアカウントのパスワードを間違えていたり、アカウントに問題があったりすると同期できないことがあります
3. 付箋アプリを最新版に更新する
古いバージョンのアプリを使っていると、不具合が出ることがあります。更新してみましょう。
<更新方法>
1. Microsoft Storeアプリを開く(スタートメニューから「Store」と検索)
2. 右上の「…」メニューをクリック
3. 「ダウンロードと更新」を選ぶ
4. 「更新プログラムを取得」ボタンをクリック
5. 付箋アプリ(Microsoft Sticky Notes)の更新があるか確認
6. 更新があれば自動的にインストールされます
7. 完了したらパソコンを再起動して、付箋アプリを開いてみましょう
<注意点>
- Microsoft Storeからインストールしたアプリのみ更新できます
- すでに最新版なら更新プログラムは表示されません
- 更新しても必ず解決するとは限りません
4. Windowsのトラブルシューティングツールを使う
Windowsには、アプリの問題を自動的に診断・修復するツールがあります。
<実行方法>
1. Windowsの設定を開く(Windowsキー + I)
2. 「システム」→「トラブルシューティング」→「その他のトラブルシューティング ツール」を選ぶ
3. 「Windows ストア アプリ」を探して「実行する」をクリック
4. 画面の指示に従って進める
5. 完了したらパソコンを再起動して、付箋アプリを開いてみましょう
<注意点>
- 管理者権限が必要な場合があります
- すべての問題を解決できるわけではありません
- 診断・修復に時間がかかることがあります
5. 付箋アプリを修復またはリセットする
アプリ自体に問題がある場合、修復やリセットが効果的なことがあります。
<修復する(データは残ります)>
1. Windowsの設定を開く(Windowsキー + I)
2. 「アプリ」→「インストールされているアプリ」を選ぶ
3. 「Microsoft Sticky Notes」を探す
4. 「…」メニューをクリックして「詳細オプション」を選ぶ
5. 「修復」ボタンをクリック
6. 完了するまで待って、その後付箋アプリを開いてみましょう
<リセットする(データが消えるので注意)>
修復で解決しない場合の最終手段です。
1. 同じく「Microsoft Sticky Notes」の詳細オプション画面を開く
2. 「リセット」ボタンをクリック
3. 確認メッセージが出たら「リセット」をクリック
4. 完了したら付箋アプリを開き、初期設定からやり直してみましょう
予防法:付箋データの消失を防ぐためにできること
定期的にデスクトップ画面のスクリーンショットを撮るなど、対策を講じましょう。また、大事な付箋のメモはメモ帳などにコピーしておく、重要な情報を必ず保存する習慣をつけましょう。次回起動時には、必ずクラウド同期(Microsoftアカウント連携)を有効にしておきましょう。万が一の際でも、オンラインで最新のメモ内容を確認できます。さらに、こうしたトラブルが頻発するため、「付箋」アプリは「スタートメニュー」または「タスクバー」にピン留めしておくことをお勧めします。
付箋アプリの注意点:過去にも報告されている不具合について
付箋アプリ(Sticky Notes)は、今回のような読み込み中スタック問題の他にも、付箋の位置やサイズが勝手に変更されたりするなど多数の不具合が確認されています。
このアプリはOSに元からインストールされているものの、不具合が良く起こってしまうアプリです。マイクロソフトの開発チームは、これらの問題を認識しているのでしょうか。それとも修正する予定がないのでしょうか。
(補足)
※私の検証環境はWindows10です
※Windows11における動作状況は未確認
※現時点で根本的な改善は見られませんので問題が再発する可能性が高いです。
上記の方法で問題が解決せず、問題が継続・悪化する場合は、Microsoftの公式サポートに問い合わせることをおすすめします。
既存機能に不満がるのであれば他の付箋アプリの導入も検討しましょう。導入する際は、Microsoft Storeのページから選ぶと、安全性の高いアプリを利用できる可能性が高いです。
<誤って削除してしまった場合に復元する方法>
定期的にメモの内容をどこかにコピーしていれば、新たに付箋を作成し、そのバックアップから復元することが可能です。しかし、Windows付箋(Sticky Notes)には、削除したメモを復元する機能が備わっておらず、キャッシュとして自動保存されたデータを元に戻す仕組みも存在しません。そのため、誤って削除してしまった場合、通常は復元が非常に困難となります。
付箋のデータは通常、ローカルのデータベースに保存されています。Windows 10以前では「StickyNotes.snt」というファイル、Windows 10以降ではSQLite形式のファイルに保存され、通常は「%AppData%\Microsoft\Sticky Notes」フォルダー内に格納されています。
なお、Microsoftアカウントで同期している場合は、別の端末やMicrosoftサービス上にデータの履歴が残っている可能性もあるため、そちらも確認することをお勧めします。日頃から定期的なバックアップを行うことを推奨します。
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