SFC シャイニングスコーピオン 改造項目の説明と効果
改造画面では、肉抜きをはじめとするミニ四駆のさまざまな改造を行えます。
改造をすることによって、パーツの状態フラグが変化し、パーツデータがわずかに変化します。改造は、メンテナンスと同じく熟練度が上がる要素で、以下の改造メニューがあります。
改造メニューを開くにはセッティング画面でスタートボタンを押し、セッティングデータ画面を表示させ、チェック項目から十字キーで「改造」を選択してください。
目次
カラー変更
マシンのボディーカラーを変更します。カラー変更自体は何度でも行えます。
カラーバリエーションは16種。ただし、ゴールドスコーピオンのボディーはカラー変更できません。
コックピット部分/フロント部分の肉抜き
肉抜きは、ボディーの一部をくり抜いて軽量化する作業で、コックピット部分とフロント部分に行うことができます。
肉抜きによる効果は、コックピット部分で「1g」、フロント部分で「0.8g」の軽量化となります。
肉抜きを行うことによってボディの重量が減り、空気抵抗値が増えますが軽量化のほうがメリットが大きいようです。
一度肉抜きすると元に戻すことができず、やり直すにはボディの買い直しが必要です。なお、ゴールドスコーピオンのボディーは肉抜き不可で、シャイニングスコーピオンのボディーは買い直しができないので注意が必要。
ボディを改造すると劣化しやすくなりますが、軽量化のための肉抜きは効果的です。
フロントタイヤ/リヤータイヤの加工
フロントタイヤ/リヤータイヤの加工は、装備中のスポンジ製タイヤに加工を施します。タイヤサンダーで削っているようですね。
一度加工すると元に戻すことができず、やり直すにはタイヤの買い直しが必要です。ゴム製のタイヤは加工不可。
タイヤの加工方法の種類としては以下の3つ。
- テーパード加工
- 逆テーパード加工
- グルービング加工
それぞれの加工方法の違いについて説明する前に、このゲームでのタイヤの加工について、ネット上で一般的となっている通説及び説明書、攻略本の記述を見てみましょう。
まず、ネット上では以下のような情報が見受けられます。
テーパード加工はコーナー性能のアップ
コーナーでのスピードダウンを抑えてくれる《コーナー立ち上がり重視【普】》
逆テーパード加工はテーパード加工の強化版テーパード加工の効果+コースアウト防止、ダウンヒルでのバランス調整
《上り坂では何にも起きないが、下り坂ではスピードアップを抑える》
モーターの消費率を少し抑える《コーナー立ち上がり重視【強】》
グルーピング加工は直線(ストレート)コースの性能のアップ直線《ストレート》コースで、安定した走りができるようになる
これらの情報は出所が曖昧であるが、おそらくは当時の2ちゃんねるだと思われる。
そして説明書や攻略本には
説明書 p18
【テーパード】タイヤの両側に丸みをつけること(凸型)によって、路面抵抗を減らすこと。
【逆テーパード】タイヤの中央を削ること(凹型)を逆テーパードと言うんだ。路面抵抗を減らす効果は同じ、コースによって使いわけよう。
【グルービング】タイヤに溝をつけ直進性を高める。
攻略本公式無敵ガイド p55
改造メニューにある「タイヤの加工」は直進性能やコーナーリング性能を上げるために~
このように記載されています。
まとめると、テーパードと逆テーパードは路面抵抗を減らしてコーナーリング良くさせ、グルービングは直線性能をアップさせるということのようです。
ただ、ちょっと覚束ないんですよね。
タイヤの加工による性能向上について、目で見て分かるような効果が実感できないのです。そこで、効果があるのか検証してみましょう。
もしも何の効果がないのならば、それぞれの加工によって、ただ単に熟練度上げるための要素であるだけということになります。
検証その1:それぞれの加工方法でタイム計測
加工方法ごとに走らせてタイムを計測します。もっとも分かりやすい方法ですね。
検証方法は以下の通り。
- フリーバトルモードで同じマシンを5台で2回走行し、タイムの平均値を出す(小数点切り捨て)
- テストコースは「ストレートコース」「スプリングレース決勝コース」「SGJCコース」
- 熟練度は最高値とする(タイヤの加工自体に速度の変化があるのかを調べたいため)
- フロント、リヤー両方同じ加工を施す
- 各コースのタイム上限に引っかからないように、セッティングスピードは落とすようにする
- フリーバトルですのでシグナルスタートの誤差についてはまったく問題なし
- コースアウトなしのチートを使用
基本セッティング
スーパー1シャーシ
ニカド電池
ナローワンウェイ幅10+ボールベアリング
スポンジブラック幅10
ナローワンウェイ幅15+ボールベアリング
スポンジブラック幅15
レブチューンモーター(ピーク)+放熱フィン+アルミモーターサポート
スーパーカウンターギヤー
丸穴ボールベアリング径6
丸穴ボールベアリング径6
中空ハードシャフト
ゴールドターミナル
タイム計測の結果
各コース平均タイム
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走行コース
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ストレート
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スプリング決勝
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SGJC
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スポンジタイヤ(加工なし)
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11秒69
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1分30秒19
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1分45秒79
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スポンジタイヤ(テーパード)
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11秒80
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1分30秒19
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1分45秒80
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スポンジタイヤ(逆テーパード)
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11秒74
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1分30秒22
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1分45秒80
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スポンジタイヤ(グルービング)
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11秒80
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1分30秒19
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1分45秒87
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結果:このぐらいの僅差だと、ほとんど速度は変わっていないといえる。
検証その2:モーターの消費率を下げるのは本当か
モーターの消費率が下がるというのは、レース中のモーターの消耗を抑えることを意味していると思います。では、レースでのモーター消費を検証していきましょう。
- 使用するモーターはウルトラダッシュモーターでギヤーは超速ギヤー。モーターはブレークイン済みで消耗度は0の状態とします。
- 放熱フィン、アルミモーターサポートは外すが、他セッティングはタイム測定と同じ。
- テストコースは「クリームパンコース」と「トンネルコース」で、2回ずつ走行して消耗度が1レースでどのくらい増えたのかを調べます。
モーター消費調査の結果
スポンジタイヤ(加工なし)
クリームパンコース
1回目 0x00→0x09、2回目 0x00→0x09
トンネルコース
1回目 0x00→0x1A、2回目 0x00→0x1A
スポンジタイヤ(テーパード)
クリームパンコース
1回目 0x00→0x09、2回目 0x00→0x09
トンネルコース
1回目 0x00→0x1A、2回目 0x00→0x1A
スポンジタイヤ(逆テーパード)
クリームパンコース
1回目 0x00→0x09、2回目 0x00→0x09
トンネルコース
1回目 0x00→0x1A、2回目 0x00→0x1A
スポンジタイヤ(グルービング)
クリームパンコース
1回目 0x00→0x09、2回目 0x00→0x09
トンネルコース
1回目 0x00→0x1A、2回目 0x00→0x1A
結果:まったく変わっていない。タイヤの加工にモーターの消費率を下げる効果はない。
検証その3:タイヤの加工で劣化を防げるというのは本当か
攻略本公式無敵ガイドのp55に「タイヤを加工すると劣化しなくなる」という記述があります。タイヤが劣化しなくなるというのは、そもそも消耗しなくなるということなのか、あるいは消耗してもタイヤの性能が低下せず速度が落ちないのか、その点を確認しましょう。
前後タイヤの加工(逆テーパード)を行った後、SGJCコースを1回走りました。そのときのタイムが3コースレーンで「1分45秒66」でした。
画像のとおり、黄色の耐久度バーは、加工なしのときと同じく減っているが・・・。
次に前後のタイヤを半分ぐらい消耗させた状態(0x80)で走らせてみます。
タイムは3コースレーンで「1分47秒01」でした。あれれ?普通に速度が落ちている。なぜなの?
結果:タイヤを加工しても普通に劣化する※加工タイヤだけでなく、カット改造タイヤでも劣化で減速を確認。
※メモリウォッチをしていると、タイヤの状態フラグの値では「テーパード」と「グルービング」は同じになっていることが判明しました。タイヤの加工を実行したとき、そのタイヤの状態フラグを管理するアドレスに書き込まれる値は逆テーパードなら「2」、テーパードとグルービングでは「4」になっています。しかも、SGJC車検のときのパスワードも同じになります。ということは、「テーパード加工」と「グルービング加工」はまったく同じものということになります。
検証その4:状態フラグの値を適当な値に変えてみる
おまけとして、フラグの値を適当な値に強制変更するとどうなるのかみてみましょう。
思い切って0xFFにしてみると、結果はストレートコースの3コースレーンで11秒79、スプリングレース決勝コースの3コースレーンで1分30秒21、SGJCコースの3コースレーンで1分45秒66になりました。速度に変わりないですね。
結論としては、タイヤの加工は、熟練度を上げるための要素なだけであり、「おそらく」効果はないと思われる。
最速のホイール・タイヤの組み合わせはワイドワンウェイ+ローハイトショック吸収タイヤですし、タイヤバグを利用するにおいてもノーマルタイヤなのでタイヤの加工はできず関係ありません。
劇的な効果を見込めないタイヤの加工について、あまく深く考える必要はないといえます。どれか一つ選ぶのであれば、期待値をとって「グルービング加工」がベストかと。
追記:タイヤの加工について興味深い情報が見つかりました
この冊子は、かつてアスキー(エンターブレイン)が出版していた、月刊ファミ通ブロスの1997年2月号に付録されているものです。
「ミニ四駆 シャイニングスコーピオン レッツ&ゴー!! 爆走大攻略」の中には簡易的なストーリー攻略の他にもさまざまなデータが載っており、そこにはタイヤの加工についても記載されているのです。
そしてその内容を引用させてもらうとこのような感じです。タイヤの加工にはグリップ力を向上させるという効果があるらしいです。
「タイヤの改造方法には、タイヤの角を削るテーパード~、タイヤの中央をへこませる逆テーパード~、タイヤに縦ミゾつけるグルービング~の3種類あります~。グリップ力に微妙に違いが~、うふふふふ。」
タイヤ | 未加工 | テーパード | 逆テーパード | グルービング |
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ノーマル 幅10 | 10 | – | – | – |
大径スポンジ 幅9 | 76 | 96 | 95 | 97 |
レストンスポンジ 幅10 | 84 | 98 | 98 | 98 |
スポンジ 幅10 | 76 | 95 | 95 | 97 |
ショック吸収 幅10 | 82 | – | – | – |
ノーマル 幅15 | 10 | – | – | – |
大径スポンジ 幅14 | 76 | 94 | 92 | 95 |
レストンスポンジ 幅15 | 84 | 98 | 97 | 98 |
スポンジ 幅15 | 76 | 94 | 92 | 95 |
ショック吸収 幅14 | 82 | – | – | – |
ローハイトスポンジ 幅19,21 | 76 | 94 | 91 | 94 |
スポンジ 幅19,21 | 76 | 91 | 91 | 94 |
その他強制改造について
<ボディ改造>
改造をしていないボディに、大径ホイールである「ワイドワンウェイホイール」と「大径ワンウェイホイール」を装備してセッティングを終了させると、「フロント/リヤーホイールが大きすぎます ボディの改造が必要です」とメッセージが表示され、画面に改造を行うかどうかの選択肢が出ます。
そして「改造をする」を実行すると、ボディの改造フラグが変化し、大径ホイールを装備できるようになります。
ボディを削ることになりますのでフロント部分、リヤー部分で各部分「0.5g」軽量化になります。
<タイヤのカット改造>
タイヤの幅とホイールの幅が合っていない状態のときにセッティングを終わらせると、「フロント/リヤータイヤとホイールの幅があっていません タイヤの改造が必要です」とメッセージが表示され、画面に改造を行うかどうかの選択肢が出ます。
そして「改造をする」を実行すると、パーツ名の前に「改」という表記と改造マークの付いたカット改造タイヤになります。
ホイールの幅よりもタイヤ幅のほうが3ミリ以上大きくなる場合に改造が必要となります。ただ例外としてアルミワイド(幅19)の場合は装備できるタイヤは全て改造しなくてはならない仕様。タイヤ幅が21以上で改造することになります。なお、ホイールよりもタイヤ幅が小さくなる場合にはそもそも装備不可です。