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ゲーム改造攻略トピックス

英語版 冒険時代活劇ゴエモン「Mystical Ninja Goemon Zero」とは?日本語版との違い

Mystical Ninja Goemon Zeroとは

冒険時代活劇ゴエモンの英語version、それが「Mystical Ninja Goemon Zero」である。
これはWorking Designsが開発した未発売の英語版のプロトタイプで、2021年11月、このゲームのプロトタイプがリークされたという。

Working Designsは、日本で制作されたRPGやストラテジーゲーム、トップダウンシューティングゲームの英語版ローカライズを専門とするアメリカのビデオゲームパブリッシャーだった。同社の代表的な作品には「LUNAR ザ・シルバースター」や「グランディア」、「アルトネリコ」などがある。
Working Designsのローカライズは、元のゲームの文化や風習を尊重しつつ、独自の英語訳やキャラクターデザインなど、オリジナルなアレンジを取り入れていた。同社は多くのカルト的な人気作を発表してきたが、2005年には遅延、承認の問題や売上低迷などにより全スタッフが解雇され、実質的に消滅した。その後、後継として新しい会社「Gaijinworks(ガイジンワークス)」を立ち上げた。Working Designsが手がけたゲームは多くのファンから支持され、中古市場でも高い価値があるとされている。

 

リリースされなかったMystical Ninja Goemon Zero

Working Designsは、2002年に日本で発売されたプレイステーション2用ソフト「冒険時代活劇ゴエモン」をローカライズするために3年以上かけてゲームの翻訳と改良の試みた。しかし、ゲームのほとんどが完成し、2005年のE3で披露されたにもかかわらず、最終的に2005年末近くにSonyによってこのゲームをリリースすることを拒否された。Sonyによる拒否は、2005年12月12日に公に発表されたワーキング デザインを閉鎖させた要因の一つである。

「Mystical Ninja Goemon Zero」のリリースがキャンセルされた正確な理由は不明だが、ゲームのグラフィックが拒否の主な理由だったと噂されている。任天堂はともかくSonyは、過去の「レトロ」タイトルからフォーカスを移し、コナミはパチンコ業界やアーケードゲームなどにフォーカスを合わせているため、このゲームや他のゴエモンシリーズが再び日の目を見る可能性は残念ながら低いと思われる。

 

英語版冒険時代活劇ゴエモンの特徴

ゲームはほぼ完全に英語翻訳済みであるが、翻訳忘れなのかサスケと出会うシーンの一部台詞が未翻訳であったり、一部の英文法やスペルミスがあるとのこと。また、すべて声優は日本語ボイスのままであり、英語の音声はなく、OPの曲もそのままで、エンディングのクレジットも翻訳されず、追加のWorking Designsクレジットもなし。さらに、メッセージテキストがテキストボックスからはみ出たり、会話途中でテキストボックスが閉じてしまう問題などがあるようだ。

私自身は著作権の関係で、このゲームをダウンロードしてプレイすることはできないが、以上の問題を除けば「Mystical Ninja Goemon Zero」は最初から最後まで完全に英語でプレイできるらしい。なお、ゲームが認証を通過しなかったため、ゲームのメイン実行ファイルで使用されているプロダクトIDは日本語版のものが使用されている。英語版のプロトタイプ間ではゲームセーブが互換性があるが、セーブデータは日本語オリジナルとは互換性がないので注意が必要とのこと。

 

オリジナルの日本語版 冒険時代活劇ゴエモンとの違い(考察含む)

単に翻訳されただけではなく、Working Designsローカライズによってさまざまな部分が改良されている。以下は、「冒険時代活劇ゴエモン 製品版」と「Mystical Ninja Goemon Zero プロトタイプ」の違いである。
※英語版の画像はhttps://hiddenpalace.org/Mystical_Ninja_Goemon_Zero_(Aug_26,_2005_prototype)より掲載
※Mystical Ninja Goemon Zeroには、6月プロトタイプと8月プロトタイプの2種類が存在

 

プログラム仕様の変更
スタートアップ時のメモリーカードチェックプロンプトがなくなり、すぐにゲームを開始できるようになった。ロード時間をやや短縮するために、ダミーファイルがディスクに含まれるようになった。

 

オプション設定
日本語のオリジナル版では、音声出力設定(ステレオ・モノラル)しか変更できなかったオプションメニューに以下の項目が追加された。

振動 オン・オフ
サウンド モノラル・ステレオ
テキストスピード ノーマル・速い
左右カメラ ノーマル・リバース
上下カメラ ノーマル・リバース

メッセージの送りスピード、カメラの回転方向、コントローラーの振動有無の変更ができる。また、タイトル画面だけでなく、ゲーム中のメインメニューからでも設定が可能に。

 

メッセージウインドウデザイン
メッセージウィンドウのデザインが装飾枠ありに変更。

 

コトラのレベル
日本語バージョンではコトラのレベルや経験値メーターは何の表示もなく、代わりに各地にいるDr.宝という鑑定士を訪ねてコトラの強さを聞く必要があったが、メニュー画面を開いてゴエモンの能力画面にコトラのレベルと経験値メーターも表示されるようになった。ただ、この追加には少しバグがある。能力画面を開いて△ボタンで戻らずにスタートボタンを押してメニューを閉じると、コトラの統計情報がボーナスポイントの後ろに描写されたままになる。

 

ボーナスポイント振り分け
ボーナスポイント振り分けるとき、日本語版では1ポイントずつしか加えることができなかったが、L1・R1ボタンで1ポイント、L2・R2ボタンで10ポイント一気に加減算できるようになった。

 

最大所持金
9999両までの所持金の上限が変更され、最大99999両まで持てるようなった。この変更により、複数の武器を購入するのが容易に。

 

アイテムソート
日本語版と6月プロトタイプでは、特殊武器(しゃもじ、打ち出の小槌)が上部にソートされていたが、8月プロトタイプにおいては攻撃力が高い順にソートされる。

 

ミニマップ
右下のミニマップは、日本語版では向きはそのまま変わらなかったが、ゴエモンが移動する方向に合わせて向きが変わるようになった。

 

ローディング画面
ロード中の画面である「NOW LOADING」の文字が「PATIENCE…」に変更。ペーシェンスとは忍耐という意味である。

 

能力メニューの英語
能力メニュー画面の各翻訳が、「Strength」と「Defense」が何らかの理由で「Power」と「Strength」に改名されている。どちらも力という意味になっているような気がするが・・・。

 

アクションアイコンの表示
キャラクターとの会話や、ハコガメなどのオブジェクトに対してのアクションアイコンが右下に表示されるようになった。

 

ゲージの表示・非表示切り替え
日本語版では、画面内の体力ゲージやアイテムスロット、所持金の表示をオン・オフ切り替えるためにはL1 + R1を同時に押す必要があったが、このプロトタイプでは十字方向キーどれかを押すだけで表示、非表示を切り替えられる。日本語版では方向キーは全く使用しない。

 

コトラアタック
このゲームにはコトラが敵を攻撃するアクション、コトラアタックがあり、日本語版ではL2で敵をターゲットし、○ボタンを押すことでコトラに攻撃を命令できる。そしてこのバージョンでは、L2で敵をターゲットするだけでコトラに攻撃を命令できるようになった。この変更には2つの欠点がある。敵がターゲットされている間はコトラは攻撃をし続けるため、敵が落とした食べ物(薬草など)を勝手に食べてしまう点と、最初の大江戸町で旧システムを説明する箇所が残ってしまっている。

 

カメラシステムの変更
各地の門や出口から出た際に、カメラがゴエモンと同じ方向を向くように変更された。カメラシステムが改善され、右スティックだけでカメラを回転できるようになった。また、R3ボタンを押すと、固定カメラと自由なカメラを切り替えることができる。日本語版ではR3で自由カメラに切り替え、カメラが下または上に向かって直接向けられている場合、敵が出現しないという面白いバグが発生する。しかしこのプロトタイプでもR3ボタンを押して上を見るようにすれば、敵は出現しない。

 

アイテムスロットの操作
画面右上のアイテムスロット管理が、元のバージョンよりも改善された。元の日本語バージョンではL1 ・ R1ボタンで選択するスロットを順番に切り替える必要があり、アクションの間に時間がかかるが、このバージョンでは、△ボタンを押してスロットの2つの半分を切り替え、L1 ・R1ボタンでそのスロットのアイテムを使用するように変更。

 

コントローラー操作方法の変更
海外向けのゲームになったので基本的には×ボタンが決定ボタンになっている。

壁キック・・・□ボタン→○ボタン
泳ぐ・・・□ボタン→○ボタン
地形つかまり・・・よじ登り(□ボタン→○ボタンか×ボタン)、落下(×ボタン→□ボタン)
天井つかまり・・・□ボタン→○ボタン
ブロックの押し引き・・・□ボタン→○ボタン
物を拾う・・・□ボタン→○ボタン
アイテムスロットでの装備アイテム使用・・・△ボタン→L1・R1ボタン
カメラ移動・・・R2ボタンを押しながら右スティック→右スティックのみ

その他

  • バグが修正され、能力の一時振り分けで装備変更の裏技ができなくなっている。
  • ○ボタン連打でコトラの経験値を稼ぐことができなくなっている。
  • Mystical Ninja Goemon Zeroとオリジナルの日本語版 冒険時代活劇ゴエモンで同じ改造コードが使えるかどうかに関しては未検証。

 

<海外の方のプレイ動画>

PS2のエミュレーター(PCSX2)ではうまく動作しないようである。ただ、エミュレーターでも起動できるようになるカスタムビルドが存在するらしいが・・・。

 

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